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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第7章 熱~莉愛菜~
佐々木は俺の知らない頃の莉愛菜の話をしていく。
「その頃は母親を亡くしてまもなくで、本庄さんも仕事であまり一緒にいる事が出来なくてりーちゃんはいつも寂しい思いをしていた。」
その頃の莉愛菜を想像する。
寂しくても我慢して、精一杯笑顔を見せていただろう莉愛菜。
それを想像するだけで胸が痛くなった。
「普段は寂しさを表に出さないけれど、唯一熱が出た時だけは違っていたようで。」
本庄さんは、莉愛菜が熱が出たと連絡を受け駆けつけると、莉愛菜が真っ赤な瞳を潤ませてしがみ付いてきたそうだ。
そして家に連れて帰り、寝かせようとすると離れない。
小さい手で必死に自分に縋りついてくる我が子を見て、寂しい思いをさせていると気がついたと本庄さんは昔話していたらしい。
「寝かせようとすると、”りあなが寝たらパパいなくなっちゃう?”と泣きながら言われて罪悪感で押し潰されそうだったと本庄君は話していました。」