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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第7章 熱~莉愛菜~
そしてそれ以外にも、水を用意したり莉愛菜の部屋から着替えを持ってきたりした。
人の看病なんかした事のない俺は、莉愛菜がしてくれた事を思い出して行動するしかできない。
莉愛菜が起きない家に早くベッドに戻ろうと部屋に向かった。
「かいと……」
部屋に戻ると横になっている莉愛菜からすすり泣く声が聞こえた。
「莉愛菜っ。」
俺は慌てて莉愛菜の元へ駆けより莉愛菜をキツく抱きしめた。
「莉愛菜、大丈夫だ。
ここにいるから。」
背中を擦って宥めるけれど、莉愛菜の綺麗で大きな瞳からは絶えず涙が溢れている。
俺は黙って冷たいタオルで汗ばんだ莉愛菜の顔を拭いた。
そしてヒエピタを張る。
「喉乾いてないか?
少し水を飲め。」
莉愛菜を起こし、ぞっと水を飲ませた。
涙がとまった莉愛菜は俺の服を摘まみながら見上げている。
「もしかして…これ、用意してくれてたの?」