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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第7章 熱~莉愛菜~
これ、と言って俺が用意した水や着替えを見ている。
「あぁ、看病なんてした事無いから莉愛菜がしてくれたの思い出しながらだが。」
顔に掛かる髪を耳に掛けてやりながら言うと、ふと莉愛菜は視線を落とした。
掠れた声で小さく呟く。
「ごめんね…あたし、」
「何がごめんなんだ?」
頬に手を添えて上を向かせる。
大きな瞳とぶつかった。
「あたし…小さい頃から、風邪を引くとものすごく寂しくなるの。
目が覚めて誰もいないと涙が止まらなくて……海斗に風邪うつしちゃいけないのに……わがままで、ごめんね。」
言いながらどんどん声が震えていく。
瞳にも涙の膜が張って行く。
そんな莉愛菜が愛しくて堪らない。
溜まらず唇に触れるだけのキスをした。
「か、海斗風邪移っちゃう」
「移せばいい。それで莉愛菜が治るなら。」
そして今度は額にキス。