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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第3章 熱~海斗~
まだ虚ろな潤んだ瞳がゆっくりと部屋を見渡してる。
「海斗、わかる?
どっか痛いところない?」
あたしは海斗の脇でそっと声を掛けると、その目線をあたしへと向けた。
ぼーっとした目であたしを見てる。
「海斗、会社で倒れて寺井さんと恭介さんが運んでくれたの。
佐々木さんに点滴もしてもらったから、すぐ良くなるからね。」
「り、あな…?」
「うん、莉愛菜だよ。
良かったっ。海斗、目を覚ましてっ…」
さっき声をかけても反応がなかったからとても不安だった。
名前を呼ばれただけでこんなに安心するなんて。
あたしは海斗に飲み物を飲ませるため、背中を支えて起こして、海斗に用意したスポーツドリンクを飲ませた。
「はぁっ…。
莉愛菜、ありがとうな…。
大丈夫だ、心配するな。」
海斗は力無く笑った。
あたしは海斗を寝かせて言った。
「びっくりした、海斗が倒れたって聞いて。」