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第20章 戻ってきた日常

「正直ね、前のあんただったら、夕べの事はかなり心配した。…きっと、あのままヤられてたら、心が埋まらないまま、快楽だけを覚えて、体だけの安心を求める人間になってただろうね」

舞奈は、珍しく真面目な顔で話す由美の顔を、じっと見つめる。

「重ねる温もりと、快楽は、一時の満足感がある。でも、心が埋まらないままじゃ、またその満足感を求めて、抱いてくれる人を探す。それが当たり前になると、なかなか抜け出せなくなるからね」

信号が赤になった為、車を停めた由美は、優しく微笑みながら、舞奈の頭をくしゃくしゃ撫でる。

「あんたがそうならなくて、ホント良かった」

舞奈は、ぐしゃぐしゃにされた髪を直しながら、何時もはダルそうにしてるか、舞奈をからかう事ばかりしかしない由美の、滅多にない優しさの触れて、少し恥ずかしくなる。

「ま、あの腹黒だと、かなーりセックスは凄そうだけとね♪」

信号が青になった為、運転を再開した由美は、いつもの調子に戻っていた。

「先生は腹黒じゃないもん！」

舞奈は、由美の腹黒と言う言葉を否定するが、セックスが凄いのは否定出来なかった。