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その瞳に…
第23章 小さな秘め事
文化祭も終わり、慌ただしかった生活は、何時も通りに戻ってきた。

冬が近くなる11月の半ば、少し空気は冷たいが、暖かい日差しが降り注ぐ。

昼休み、舞奈は絵麻と中庭のベンチで昼食をとっていた。

普段は教室で済ませているが、絵麻から中庭で食べようと提案があった。

「「ごちそうさま~」」

二人は同時にお弁当を食べ終わり、空のお弁当箱を包む。

「ん~」

舞奈はぐぐーっと腕を伸ばし、ベンチに寄りかかる。

「今日はあったかいねぇ」

「だねぇ」

ポカポカ陽気の中、二人はのんびりと日向ぼっこする。

「ねぇ、舞奈」

「ん~?」

舞奈は満たされたお腹と、暖かい日差しで少し眠くなりながらも、友人に返事をする。

「彼氏、出来たでしょ」

「え!?」

友人の言葉に、舞奈は驚いて体を起こし、絵麻を見ると、舞奈は横目で舞奈を見ていた。

「やっぱり…」

怒っておるのか解らない表情を絵麻に、舞奈は気まずくなり、目をそらし、呟く。

「ごめん…」

そんな舞奈に、絵麻はふぅとため息を付き、口を開く。

「怒ってる訳じゃないけど、なんで教えてくれないのかなって」

その言葉に、舞奈はチクリと胸が痛む。

中学からずっと一緒にいる、親友の絵麻には本当の事を話したい気持ちはある。

絵麻ならきっと、二人の祝福してくれるだろうとも思う。


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