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その瞳に…
第28章 大人の対応
 「詳しい事は後で車の中で話すけれど、『彼』を確実に捕まえる為に、駅で待ち合わせをしたの」

 「え・・・?」

 (捕まえる・・・?)

 その言葉に疑問を持った舞奈を見つめながら、早百合は言葉を続ける。

 「駅なら『彼』が確実にいるだろうし、貴女の姿を見つけたら、私がいても多分近くに寄ってくると思うの。私は写真でしか確認した事がないから、貴女にしっかりと『彼』を判別して欲しいの。『彼』の姿を確認できたら、他の子達が『彼』を連れ出してくれるわ。私達はそれを見送ったら帰りましょう」

 (他の子達?連れ出す??)

 どんな風に渡辺に対して対応するのかまったく解らなかった舞奈は、それでも後で詳しく話してくれるという早百合の言葉を信じて、コクンと頷くが、少し不安もあった。

 昨日あれだけ警戒していたが、渡辺は何時の間にか自分の後ろに立っていた。

 昨日被っていた帽子も、どんな物だったかおぼろげでしか覚えていない。

 そんな状態で、今日は渡辺を見つける事が出来るか不安だった。

 (それに、昨日の今日で本当にいるかどうか・・・)

 そんな舞奈の心境を察したのか、早百合はそっと舞奈の背中に手を添える。

 「そんなに不安そうな表情をしなくても大丈夫よ。私探し物はとても得意なの。その証拠に・・・」

 早百合はそっと、舞奈の耳元で囁く。

 「後ろの改札前にある柱に、『彼』らしき人が先ほどからこちらを伺っているの」

 舞奈はえ、と早百合が伝えた場所を反射的に見つめると、そこには帽子を被り、こちらを伺う様に見つめる渡辺がいた。

 (本当にいた―――――――――)

 舞奈は渡辺を確認した瞬間、ゾっとした悪寒と共に、体中から恐怖の為汗が噴出すのを感じる。

 早百合はそんな舞奈を渡辺から見えないように自分の体で庇いながら、そっと落ち着かせる様に背中を撫でる。


 
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