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その瞳に…
第28章 大人の対応
 舞奈は、自分が見えないのはわかっているが、つい首を横に振る。

 「いえ、先生や・・・皆さんのお陰で、私もう大丈夫です。本当に、ありがとうございます。早百合さん、栄子さん」

 舞奈は、隣にいる早百合と遠くにいる栄子に、はっきりと感謝の気持ちを述べる。

 すると、早百合は小さくフフっと優しく微笑み。

 「良いのよ。私達だって、女性に危害を加える男性は黙っていられないもの。それに、貴女は山村さんの大切な人なのだから、それなら私達にとっても大切な人だわ」

 『そうそう。貴女に何かあったら、大河さんの事が大っ好きな英樹が黙ってないもの』

 栄子が『大好き』の部分をものすごく強調して話した事に、舞奈はついフフっと笑いを零してしまう。

 『この間は舞奈ちゃん、お店きたらすぐに出てっちゃったから全然話せなかったから、今度またお店きてよ。ゆっくり話ししましょ。色々と!』

 お店というのは、レストランの方ではなく、もちろんグッズの方なのだろうと思うと、しかも色々とが気になり、返事をするのが少し躊躇われたが、それでも今回は助けてもらった
し、栄子と言う人物がどんな人なのかも気になり、舞奈ははいと返事をした。

 「わかりました。また、先生に連れて行ってもらいます」

 その返事に気を良くしたのか、栄子の明るい声がスマホから響いてきた。

 『絶対よ!待ってるわね。じゃあ、私も戻るわ。舞奈ちゃんまたね。早百合も、また家でね』

 そう言うと、早百合の返事も聞かずにプツっと通話が切れる。

 「これで一安心ね」

 早百合のその言葉に、舞奈ははいっと返事をした。

 「本当に、今回はありがとうございました」

 舞奈は、もう一度早百合にお礼を言う。

 
 
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