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その瞳に…
第30章 SとM
 声を聞かれては、舞奈と大河の事がバレてしまう。

 そう感じ、舞奈はとっさにそんな行動をした。

 すると、パっと大河の手が外れ、眩しい光が目に入る。

 「今、君は何故口元をとっさに隠したんだい?」

 眩しい光に目を細めながらも、意地悪く笑う大河の顔が目に映る。

 「それは・・・声聞かれたらバレちゃうと思ったから・・・先生にも、静かにと言われたし・・・あっ!」

 「そう」

 自分の言いたい事に気がついた舞奈に、大河はとても満足そうに頷く。

 「きっと、君は視界がクリアな状況で僕がそう言っても、今の声じゃ反応しなかったと思うよ。視界が奪われた分、聴覚がとても敏感になる。しかも頭の中で『ここは化学準備室だ』と思い込むようにした。人間はたったそれだけの事で、すぐに違う場所にいると勘違いする事が出来る」

 確かに、先ほどはとてもはっきりと聞こえた声が、視界がきいてる今、声は耳を澄まさないと聞こえ位だ。

 しかも、準備室にいると思い込んでいると、それは生徒の声に思えてしまい、咄嗟に声を出さない様に対応してしまった。

 「今は凄く簡単な事をしただけだけれど、これが目を隠し、体を拘束され、自分がどんなに否定していても周りからそうだと言われると、人間は段々そちらが正しのでは無いかと思い込む。・・・まあ、簡単に言ってしまえば、催眠術みたいなもんだね」

 「催眠術・・・」

 TV等でたまに見かけたりするが、本当にそれだけで掛かってしまうのかと思っていた舞奈は、まさかこんな簡単な事も催眠術になり、それに掛かりかけた自分に驚いてしまう。

 「人間はね、思い込みが激しいんだ。周りがそうだと言えば、そうなのかな?と意識してしまう。これは、集団心理だね。そして、視界と自由を奪われた人間は、行動が制限される分不安に陥る。その不安が出来た心の隙に、入り込むんだよ」
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