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その瞳に…
第33章 冬の空
 「ご飯食べ終わったら、洗濯しちゃいます・・・」

 舞奈は、顔を真っ赤にし、俯きながら呟く。

 いくら無意識とはいえ、大河の家の物を汚してしまったのだから、ちゃんと自分で片づけをしなくては、と思う反面、まったく手加減しない大河にも問題があるんじゃないか、と不満ももってしまい、目の前でもくもくと食事をする大河を、ついにらんでしまう。

 「何?」

 その視線に気がついたのか、大河は食事する手を止めずに舞奈を見つめる。

 「・・・なんでもない、です」

 多分、今の気持ちを言ったところで、大河に言いくるめられるのが解っていた舞奈は、少しだけぶすくれたまま、食事を続けた。

 「ああ、そうだ。夕方から出かけるから、洗濯とか終わったら準備するように」

 「お出かけ、ですか?」

 そう、と大河は頷いた。

 「成滝が、舞奈に会わせろって煩いからね。そのうちにでも、と思っていたんだけれど、良く考えれば来週からテスト週間に入るし、12月は僕が色々と忙しいからね。だから、今日の夜にでも、お礼がてら店にでも顔を出そうかと思っているんだ」

 今回のゴタゴタで忘れかけていたが、そういえば来週からもうテスト週間に入るんだっけ、と舞奈は思い出す。

 テストが開ければ、すぐに冬休みがまっており、教師にとっては、テストや成績表、冬休み用の課題作成と、12月は何かと忙しい。

 それならば、昨日のお礼もかねて、今日店に行くのは納得する。

 「解りました。なるべく早く片付けしちゃいますね。私も、早百合さん達に会いたいですし」

 それならば、と舞奈はスピードを上げ食事し始めた。

 
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