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その瞳に…
第33章 冬の空
 うねうねとした山道を登りきると、少し開けた場所に出、大河はそこで車を停めた。

 「ジャケット羽織って出てきなさい」

 そう言われ、舞奈は大河に先ほど手渡されたジャケットを羽織、車から降りる。

 (うわっ)

 外の空気はは思ったよりも冷たく、大河のジャケットが無かったらかなり寒い状況だ。

 「舞奈、こっち」

 大河は、舞奈の手を握り、狭い山道を歩く始める。

 すると、先ほどより広めの開けた場所に出た。

 「うわぁ!!!」

 そこは、山間に沈みかけている夕日がとても綺麗に見える場所だった。

 「かなり絶景だろう?」

 あまりの綺麗さに、感動の声を上げた舞奈に、大河は微笑む。

 「はい!凄く綺麗です!!!」

 キラキラした笑顔の舞奈が、あまりにも可愛く思え、大河は後ろからぎゅっと抱きしめる。

 「けど、見せたいのはこれじゃないんだ。・・・もうそろそろ、かな」

 大河は舞奈を抱きしめながら、腕時計を確認する。

 「え・・・?」

 これじゃない、そう言われ大河の顔を見上げようとした瞬間、舞奈は突如眼下に現れた光景に、息を飲む。

 時刻は17時。

 その瞬間、丘の下に広がる広場に、一斉に光が灯された。

 赤・青・黄色・緑・紫と、色々な光のイルミネーション。

 「う、わあぁぁぁぁぁ!!!!」

 余りにも壮大で綺麗な光景に、舞奈は声を上げる。

 「この下でね、今頃からイルミネーションをやってるんだ。その場所で見るのも綺麗だけれど、こうやって上から見るのもいいもんだろう」

 その言葉を聞いてるのか、聞いていないのか舞奈はその光景を夢中になって眺める。

 「凄い!綺麗!!わぁ!!!」


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