この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
その瞳に…
第38章 冬休み
 今までの話を盗み聞きしていた事は、絵麻の話で大河には知られているだろう。

 だから、自分は何も誤解などしていない事を伝える為、舞奈は真っ直ぐに大河の瞳を見つめた。

 その意図が伝わったのだろうか、舞奈の瞳を見た大河は、一瞬だけ柔らかく微笑み、直ぐに教師としての顔に戻す。

 「ともかく、もう遅いんだから、君達は帰りなさい。駅まで送るから」

 そう舞奈達に言った後、大河は今まで静かにしていた女性の方に向き直る。

 「下川」

 大河に名前を呼ばれ、女性・下川は一瞬ビクっと体を反応させ、顔をあげる。

 「さっき、僕にも関係がある、と言っていたけれど、あの時別れたのは君が僕の事を、つまらない男と言って、あいつの元に言ったんだ。だから、今君があいつに付きまとわれて困っていても、僕にはまったく関係が無い」

 大河の言葉に、下川は気まずいのか少し俯く。

 「だから、今更もう一度ヨリを戻して、あいつを追い払えと言われても僕は断るよ。たとえ、先ほど言った脅しをされていてもね」

 『脅し』その言葉を大河は少し強めに言うと、下川は悔しいのかぎゅっと唇を噛んだ。

 「だからあいつの事は自分でなんとかしてくれ。ああ、後、さっきも言ったけど、彼女の事をバラすなら、ばらせば良い。だからって、僕は彼女とは別れるつもりもないよ。・・・そして、そんな事をする人間を絶対に助ける気も起きないけれどね」

 その言葉に、下川はキっと大河を睨みつける。

 「大河も随分変わったのね!前はそんな話し方なんてしなかったし!!ごめんなさいね、迷惑かけて!!バカにされなくても、あいつなんて私一人でどうにでもなるわよ!!!」

 下川はそう叫ぶと、舞奈達が来た方向とは逆の方に、早足で去って行った。

/463ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ