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イマージュ
第10章 マリーとアントワネット

「それではこういうのはどうじゃ」

 お城には牢屋がありました。

 他国と戦争をするときは捕虜を入れるのに使っていましたが、今は平和なので役立たずの場所です。

 そこに寝起きしている一人の小間使いがおりました。

 とても醜い猫背の男で、名をセムシと言いましたが、皆、彼のことを牢番と呼びました。色々問題があったからです。

 セムシは何も悪いことをしていないのに、誰からもつらく当たられていました。

 本当なら召使たちの部屋で一緒に生活しても良いのに、彼だけ仲間外れにされ、それでしかたなく牢屋を自分の部屋にしていたのです。

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