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第11章 そこにいるから

　そのフリーザ様が俺の前にいた。
　一番強い形態だ。
　あのとき見たのと変わらない、白と紫のあの姿。

　殺るか、殺られるか。

　ベジータの気持ちがよくわかる。

　かなり分が悪い。
　一発外せば終わり。

　いや、そんな弱気でどうする。当たらなきゃ当たるまで何回でもブチ込めばいい。
　……しかし当てたとして、そのあとどうする？

　いや、当てりゃいいんだ。
　とにかく当たりさえすれば……
　自分で自分を奮い立たせる。

　あいつはこういう気持ちだったのか。
　ただのデコハゲじゃなかったんだな。

　イケメンはイケメンを知る、だ。

　緊張で胃がぎゅるるるという音を立てた。

　行くしかない。それしか活路が開けないのなら……