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イマージュ
第11章 そこにいるから

一時間後、情け容赦なく片付けられた部屋のベッドの上で、俺は一人、背を向けて寝転んでいた。
なんだよ、ダンシャリって! 頭オカシーだろ! なんで物捨てたら人生が良くなるんだよ、意味わかんねえ。
非科学的にもほどがある。
「要らないモノが沢山あると、それに気を取られて時間や気力が奪われていくのよ」
佳純はそう言ってポイポイと、ガサーッと、俺の大事な小物を捨てて行った。「古着屋に売る」と、クローゼットの中身まで。
要らない物なんてないんだよ。
全部必要なんだよ。
明日発売の号に書かれたラッキーアイテムがその中にあったらどうしてくれるんだよ。
「こうして重荷を捨てることで、快適な人生を取り戻すのです」
今までも充分快適だったっつーの!
それに人生の支えなんだよ、全部。俺にとって!
うわ、ヤバイ。なんか泣きそー。

