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第11章 そこにいるから

　田所君探しの方も、周りにいるのが男だったらまだ聞きやすかったものの、女の子たちの質問そっちのけで「田所君って知ってる？　どんな子が知りたいんだ」とも聞けず。捜索も護衛も、どちらの任務も困難な状況に陥ってしまっていた。

　うーむ。どーすりゃいいんだ。
　こういうの苦手。

　占いの弱点は、先のことは見通せるが、目の前の困難に対してはあまり役に立たない事なんだよな。

　佳純なら、なんか色々頭使って問題を解決しそうだけど、俺は正面突破タイプなんだよねー。

　しょうがねえな。



　飲み会が終る頃には、女の子たちは俺の周りには寄り付かなくなっていた。

　俺の興味が田所くんなるオトコノコにしかないと判明したからだ。

　……。

　そこまでの犠牲を払ったにも関わらず、田所君を知ってる子はいなかった。

　この場にいないのかな。