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第11章 そこにいるから

「城戸君って、噂ほどモテないんだね」

　夜道を皆でダラダラ歩いていると、赤坂先輩が俺に近づいてきた。

「あ、俺のこと知ってるんですか？」

「そりゃあ知ってるよ。ウチのガッコウでモテる男で僕と並ぶのは君ぐらいだって皆言ってるよ」

　そーなのか。
　赤坂さん見かけによらない。

「キミが仲間になってくれるなら嬉しいな。キミ目的の女の子が集まるだろうからね」

「いやー、俺、彼女いるんで」

「えっ？」

「だから今回だけってことで……」

「そうなのかい？　その子？」

　先輩が目でクリちゃんを指す。

「そーにゃのぉ……うふふふぅ」

「いや、違います」

「どっちだよ」

　赤坂先輩が笑う。