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イマージュ
第11章 そこにいるから
俺には彼女がいて、名前は石神佳純。
大学の同級生だ。
付き合い始めたばかりだったらしい。
俺のだという全然見覚えのないケータイを見せて貰ったら、アドレス帳の彼女の名前はこんなふうに登録されていた。
《超超超・愛してる好き好き好きだよ佳純ちゃん》
アホか、俺は。
いや、記憶を失う前の俺のことだが。なんかもうごちそうさまだ。
そんなに好きだったのか。困ったな。
俺は俺であって、俺じゃない。
しかし、彼女はずっと彼女のままだ。
きっと、彼女だって同じかそれ以上に俺のことを愛しているに違いない。
ケータイには他の女の子の名前はなかったし。ラブラブだったのだろう。