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第11章 そこにいるから

　俺たちの頭の上には日本晴れの青い空。

「あ、飛行機だ」

　爆音が近づいてくる。

「クリスちゃん、あれに乗ってるのかな」

「馬っ鹿ねえ！　飛行機は明日って言ったばっかでしょ！」

　佳純はいつもの調子だ。すっかり元気になった。くるっと回って俺を見つめる。

「おい、危ないよ……前見て歩けよ」

「へいちゃら！」

　くるくるくるくるくる。
　両腕を伸ばして佳純飛行機がキリモミ飛行だ。

「お守りも上げるしね！」

「お守り？」

「あの歯磨き粉！　手術中ずっと握ってるって！　ぶははははは！」


　マジかよ。勘弁してくれよ。