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want to be ...【短編集】
第6章 温泉旅行 2日目






「…好き?」


聞いてみると、返ってきたのは唇。


ねっとりと絡む舌に、気持ちよくて身体を捩る。


でも…聞きたい。


蒼汰から、好きって言葉を聞きたい…


「…愛してる」


唇を離されて唾液を飲み込んだ時、耳元で言われた言葉。


また、涙が溢れた…


「…っ、ふっ…嬉しいっ…」


「…心配すんな。お前より俺の方が気持ち強いから」


その言葉の意味を少し考えて、…理解すると嗚咽が洩れた。


「…っ、違う…っあたしの方が大好き!」


「いーや、俺の方が愛してる…」


「っ…」


愛してる、の時、ものすごく優しく言う蒼汰。


嬉しすぎて、両手で顔を覆って涙を流した。


「…俺の方が。俺の方が杏奈に入れ込んでる。
好きって言われる言われないなんかで悩む必要ねぇぞ」


「ひっ…く、な…に」


「俺の一途なめんなよ。
美咲への好きだった気持ちが今はほとんど全部
お前に行ってんだ、覚悟してほしいくらいだな」


「…?何を…?」


「ん?俺に愛し抜かれる覚悟」


「…!」


「マジで。本気で今お前にしか勃たねぇから、
浮気とか不倫とか心配ご無用。
むしろ俺が心配してる、逃げられないか」


「…っ」


「気持ちは変わるとか、よく言うけど。
実際、美咲から杏奈に気持ち変わったけど。
これ以上は絶対にねぇから、安心しろ」


「…っ、嘘だぁっ…」


「嘘だと思うなら証明してもいい。
今のじゃただの口約束だからな、
帰ったら誓約書でも何でも書いてやるよ」


そ、そんなの。


「俺は愛した女は死ぬまで愛し抜く。
杏奈が俺を50%好きでいてくれるなら、
俺は51%…いや1000%くらい好きでいたいんだよ。
…これで分かったろ、いや分かってくれ。
あいにく素直に言葉を伝えられる人間じゃないんでね」


そんな甘ったるい言葉、目を見て直接言ってくれる人なんてなかなかいないよ…


「…分かった。…っうぅ、分かったっ」


「…ならいい。つー訳で食うぞ、お前の事」


「へっ…」


「チェックアウトまで、絶対離してやんない」


「…っ!」


それからは、言葉通り…あたしは時間ぎりぎりまで蒼汰に抱かれ続け、離して貰えなかった。


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