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want to be ...【短編集】
第6章 温泉旅行 2日目
「やーん、すっごく綺麗ーっ!きゃーっ」
…何この子!
ほんと、可愛いにも程があるでしょ!
美咲さんが大樹さんの手を引いて、パタパタと嬉しそうに走って行った先は、あたし達が今日泊まる、くじで引いた温泉宿。
「ねぇ見て見てーっ!紅葉してる〜」
ライトアップされた紅葉の木の下でぴょんぴょん跳ねてる美咲さんが可愛すぎて…もう、抱き締めたい!!
「…服伸びる」
美咲さんに服の裾を引っ張られながら突っ立ってる大樹さんは、美咲さんが跳ねるたび綺麗な腹筋が見えててドキッとする。
このお2人…ただでさえ見た目だけでもあたしをきゅんきゅんさせてくれるのに、行動でもときめかせてくれるから心臓いくつあっても足りないよ…
4人で紅葉をバックに写真を撮った後、女将さんに迎えられて部屋まで案内して貰ってる間…隣を歩く蒼汰を見上げた。
「…ふふっ、まだ辛い?」
「…当たり前だろ」
「あははっ…」
「チッ…、笑うなよ」
まだ顔色が優れない蒼汰。
それもそのはず…だってこの人、エビフライ6個食べたんだもん。
チェックアウトして旅館を出た後、お腹すいたってうるさい蒼汰に連れられ入ったのが、エビフライがおいしい定食のお店。
そこでエビフライ定食を2つ頼んで、来た途端エビフライにかぶりついた蒼汰は。
…現在食べすぎで胃もたれ状態、らしい。
胃もたれにもなるよね、あんなおっきいエビフライ6個も食べたら。
しかもキャベツの千切りから食べたらいいのに、ひたすらエビフライ食べてたしね。
「じゃあ、17時に外で待ち合わせねっ!」
「はいっ」
「蒼汰、お大事に〜」
力なく片手を上げた蒼汰を見届け、隣の部屋に入っていった美咲さんと大樹さん。
「あたし達も入ろっ」
さっき女将さんから渡された鍵を蒼汰の手から取り、解錠して扉を開けた。
「うっわー…!綺麗!凄い!部屋広ーいっ」
窓際のソファに力なく座った蒼汰をよそに、部屋の中を物色する。
普段、あんな広い部屋に住んでるから感覚がおかしくなってるけど、2人でこんな広い部屋に泊まれるなんてなかなかないだろうな。
物色し終え、顔を腕で隠してぐったりしてる蒼汰を見た後、まだ見てなかったお風呂場に恐る恐る足を踏み入れる。