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want to be ...【短編集】
第6章 温泉旅行 2日目
蒼汰SIDE
「…でねっ!?もうすっごいの!
いろんな人に声かけられてたんだよ?美咲さん!
シャンプーとかボディソープ何使ってるかとか、
エステ行ってるのかとか聞かれててっ」
「うんうん」
「すっごく楽しかったー!
でねっ、今度2人で温泉行く約束したんだぁ」
「ふーん」
「あたし、男に生まれたかったなぁ。
そしたら美咲さんに堂々とハグ出来るのにぃ」
「そうか」
「それでね、決めたの。生まれ変わったら
絶対男になって美咲さんに猛アタックしに行く!
もう、大樹さんが羨ましい〜!
あんな綺麗な身体毎日見れるなんて〜」
「へぇ、そう」
「…蒼汰ぁ、ちゃんと聞いてるー?」
「そうだな。…あ?いや聞いてます」
「でねー!?…」
結局1時間待ちぼうけだった俺と大樹。
温泉から上がったら大樹達の部屋で4人で飲む約束をしていたが、あまりに2人が遅かった為休憩室で2人で先に飲む事にし、ビール缶を3本ずつ空けた。
そしてお揃いのお団子姿で出てきた美咲と杏奈と合流し部屋に戻って、酒が入ってキラッキラした目で美咲を称賛する杏奈の話を聞き流してる途中。
最初は4人で話しながら飲んでたが、眠気を訴えた美咲を、大樹が寝かすまいと夜風に当たりにベランダに連れて行ってる。
俺に寄りかかって話す杏奈は浴衣や髪が乱れてて、酔ってるから顔も真っ赤で目も潤んでて凄ぇ色っぽい。
…こいつ、酔ってタカ外れたらキス魔なんだよなぁ。
間違って大樹にしたりしねぇよな…
…美咲はいいけど。
ひたすら美咲について話す杏奈。
お前が美咲大好きなのは分かってるけどさ…
「…ねぇ杏奈ちゃん。
そんな美咲の話ばかりしてたら妬くんですけど?」
「うふへへへ」
「お前…」
「大樹さんになりたいなぁ…美咲さんと結婚したい」
…おいおい。
本気か本気じゃないか知らねぇがこいつ恐ろしいこと言ってんぞ。
「…なぁ。離すつもりないんですけど?」
「んー…?」
「俺じゃ不満ですかね。俺より美咲がいい?」
杏奈が酔ってるのをいい事に、普段本人に素直に言わない気持ちをぶちまけてみる。