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want to be ...【短編集】
第6章 温泉旅行 2日目
「あーんな…起きろ。お前の大好きな美咲さん、
大変な事なってんぞ…?」
わざと甘ったるい声で言い、耳にキスを落とす。
「…んぁ」
ふるふると首を振る杏奈の耳に舌を這わせた。
耳朶を舌先で舐め、甘噛みすると杏奈が身体を捩る。
耳の穴に舌を突っ込み嬲ってると、身体を震わせて目を醒ました。
「…っは!ん…っ何するの蒼汰っ」
お、シラフか。
飛ばせたな。
そしてしばし不動になり、きょろきょろと辺りを見渡し、俺を見つめて顔を真っ赤にする。
「…反応が初々しくてよろしい」
「…え、えっ!?何っ、どういう事っ」
「覚えてる?俺が言った事」
「なっ何がっ?」
「覚えてないんだな、よろしい」
「ちょっ…意味わかんない!何を…っ」
一瞬唇を塞ぎ、更に真っ赤になる杏奈に微笑む。
…ほんと、可愛い。
「…聞こえない?誰かさんの甘ーい声」
最初、俺の言葉を理解出来なかったらしく、怪訝な表情で俺を見つめてたけど。
やがて、目を見開いた。
「…なっ!ぁ…っみ、美咲さん…っ!?」
「な。エッロい声してるよなぁ…」
「…っ、ぇ…っ、これ、美咲さんの…っ」
「他に誰がいんの…」
「…っ」
きょろきょろと辺りを見渡し、一点を見つめた杏奈。
「…ぁ、あそこ、かな」
「あの部屋?」
杏奈の指す方向を見ると、露天風呂への入り口の隣に襖があって、確かに美咲の声はそこから聞こえてる気がする。
「部屋中見てた時ね、あの部屋も見たんだけど…
あの部屋に、布団2つひいてあったの。
だから…、あの、たぶん、あそこで…」
…ほんと初々しいなぁおい。
…まあ、知ってるけどね。
反応はいつまで経っても初々しいけど、杏奈実はめちゃくちゃ…エロいってこと。
そこで、ふと思いつく。
いい刺激になるかもな…
杏奈の身体を抱いたまま立ち上がると、驚いて何が起こったか分からない、って顔をする。
「…へ?え、あ、えっ?蒼汰?
…って、きゃー!?どこ行くっ…そこ!?そこだめ!
ぎゃっ…、にゃっ、やぁっ」
「落ち着け」
「落ち着けるかぁあ!…って、えっ!?ちょっと…」
襖の前で杏奈をおろすと、きょとんとした後、慌ててしがみついてくる。