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want to be ...【短編集】
第6章 温泉旅行 2日目
「あのね、」
「…ん、」
「…読まないで。心の…中」
…んん。
それはどの意味でかな?
「美咲さんと、…大樹さんがしてるとこ…
ずっと前から、見てみたいと思ってたの」
「…そうなんだ?」
知ってたけどね?
「でも…ね」
「うん」
「あの、…その。えっと…へ、へん、変態だ…とか
思われない?そ、それはヤなの…」
「お互いしか見えてないあいつらが
俺らの事なんて気にする訳ないだろ」
大樹なんて特に。
それにな?
「お前だから教えてやるけど…
見られてる、って気付いた時の美咲が最高なの…」
「っ、」
「どんな反応すると思う…?」
杏奈の喉がごくりと動く。
そして、ちらりと隣の襖に視線を移し、その瞳に涙を滲ませた。
「…何で泣くの」
「美咲さん声エロい…」
「…」
こいつ…俺の話聞いてたか?
「…ひっく、うぅ…録音したいよー…」
「…」
録音ってお前…
襖を1枚挟んだ向こうで響く、美咲の甘ったるい声、肌がぶつかる水音。
…よりも。
目の前で顔を真っ赤にして熱い息を吐き、涙を流す杏奈に勃つ俺はおかしいんだろうか。
お前の、泣き顔が、
お前の、全てが、
俺をおかしくする…
震える手でゆっくりと襖に手を伸ばす杏奈。
襖に触れる瞬間、一瞬戸惑うように動きを止め、そっと襖に手を付けた。
…が。
そこから一向に動かそうとしない。
「…杏奈」
「っ」
びく、と身体を震わせ俺を見上げる杏奈。
「…ここで無理矢理抱かれるか、
襖開けて2人の情事覗くか。…どっちか決めろ」
あ、どっちもするけどね、本人には言わないけど。
…あぁ、そう。
俺はお前のその顔が見たいんだよ。
俺に翻弄される、その表情。
俺の中のどこかにある加虐心が目を醒ます。
杏奈を抱くようになってから更に増した加虐心…
可愛いからいじめたい
くらいのもんだけど。
現れる相手は、杏奈と美咲の2名のみ。
杏奈9割美咲1割くらいで。
だから、日に日に杏奈に対する加虐心が大きくなりつつある今、俺は最高に目の前の女に欲情してる。