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溺れる恋は藁をも掴む
第1章 セフレ
約束の土曜日。
私はそわそわしながら、約束の時間を待つ。

いつもより丁寧に化粧し、髪は巻いて涼しげなアップにした。

昨日選んだワンピースを着てみた。
淡いブルーのワンピース。
私の好きな色。
白いカーディガンを羽織る。
私はこの組み合わせが好きだ。


デブ時代は、
お洒落に無縁な私が、
何よりも羨ましかったのは、
細い女性がセンスの良い服を着こなし、
存分にお洒落をして彼氏と街を歩く姿だった。

今はその願いが少しずつ叶う。
彼氏じゃないけど、
好きだったアキにデートに誘われたんだ。

今の私は着たい洋服が着れる。
アキと並んで歩いても、
不釣り合いには見えないだろう?

確かにアキは甘カワイケメン。

だけど……
『あんなイケメンにあのデブはないんじゃね?
彼氏、デブ専なんだよ』

などと陰口は叩かれないであろう‥‥


姿見に自分を映し、
アキとの約束の時間まで、
納得いく自分を作ろうと必死になれた。


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