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第1章 セフレ

アキと私は高校の同級生。

牧瀬晶（まきせあきら）
通称アキ

アキは背はさほど高い方ではないが、
細身で制服姿が爽やかに見える、
甘い感じのイケメン。
カッコイイよりカワイイタイプ。
優しい瞳の奥に何かを秘めているような、
ミステリアスな雰囲気も醸し出している。
どことなく、
影のあるイメージ。

またそんなところが女子からの人気を集め、
よく呼び出されて告白されていたが、
彼女は作らない主義を通した。

「ごめんね。
俺、ホモじゃないんだけど、
今、女はいいやって気分なんだ」
と振り文句はいつも同じ。

女と居るより、
男友達を選ぶ。

学校の休みの日は、
ファーストフード店でバイトをしていた。

何度かアキのバイト先に、
友達と寄った事もある。
バイト先の制服も似合っていて、
アキ目当てのお客も居ただろうなぁ？
と思わせるくらい、
爽やかな営業スマイルで働いているのだ。


なんでバイトしているの？
と聞いたら、

「金が一番信用出来るから」
とクールに返された事もあった。

あの頃にアキとこういう関係になるなんて、
思いもしなかった。

アキは誰とでも気軽に話す、
気さくな性格でクラスの人気者だった。


私とは仲が特別仲が良かったわけでもなく、
ただのクラスメートの関係。


アキとこういう関係になったのは、
高校を卒業し、
５年の歳月が過ぎていた。