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近づきたい
第11章 それぞれの日
「瑞穂、朝ご飯食べたら送ろうか?」

もうすっかり陽が昇り、夏の暑さがジリジリと感じられた。
着替え始めたよし先輩の服はカジュアルな感じじゃなく、仕事に行くような服…

土日もないって言ってたもんね。私を送ったら、仕事に行くのかな?

「ううん、今日は一人で帰る。義朗さん、仕事でしょ?」

「あっ、うん。ごめん。」

気まずそうに下を向くよし先輩。ちょっと嫌な言い方したかも?

最後だもん…ちょっとぐらいいいよね…

よし先輩とローテーブルを挟んで向かい合って朝ご飯を食べた。

いつも私の向かい側にいるよし先輩…隣にいれた時間は短かったなぁ。

でも、この場所はよし先輩の顔がよく見れる。喉仏も…。私、よし先輩の笑顔が好きだったな。
最後は笑顔で別れよう…

「ねぇ、義朗さん?」

「うん、何?」

「笑顔で別れたいね…」

「…うん。」

一瞬切なそうな顔をしたよし先輩…でも、無理に笑顔を向けてくれた。

「瑞穂、さっきのピアス着けて見せて…」

「うん!」

嬉しくなって、急いでプレゼントされたピアスを着ける。鏡の前で着けたピアス…とっても可愛い!

嬉しくて笑顔でよし先輩の方に振り返ると、よし先輩も満面の笑顔だった。

「うん、可愛い。その笑顔、写真に残しておきたいよ…」

そういえば、私、よし先輩の写真持ってないなぁ…最後に写真欲しいな。

「義朗さんと一緒に写真撮りたいな…」

ちょっと考えた顔をしたよし先輩だけど、最後には笑顔で頷いてくれた。
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