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近づきたい
第11章 それぞれの日
「いいよ。二人で撮ろう。」

そう言って、よし先輩は自分の携帯のカメラを起動させて、写真を撮ってくれた。その写真を私に見せて、私が頷くと私に転送してくれた。

「瑞穂、そのピアス似合ってるよ。」

「本当ありがとう。」

二人で初めて撮った写真を見たら、すごく泣きたくなった…このままだと泣いてしまう。

「…義朗さん、私、そろそろ帰るね。」

泣き顔を見せたくなくて、急いで荷物をまとめた。
下を向いて鞄を整理していると、後ろからよし先輩に抱きしめられた。

「最後に少しだけ抱きしめてていい?」

「……うん。」

切なくて愛しくて涙が流れた。笑顔で別れたかったのに…ごめんなさい。

「義朗さん…ありがとう。」

抱きしめられていた腕に手を置いて、そっと腕を外す。

「もう帰るね!義朗さん、体に気をつけてね。…たまにメールしてもいい?」

小さな声で聞いた私の願いによし先輩の返事はなかった。いいとも悪いとも言ってくれなかった。

最後までダメだなぁ。涙を拭いて、立ち上がってよし先輩に笑顔を向けた。

「義朗さん、ありがとう。」

「ありがとう。」

よし先輩も私に笑顔を見せてくれた。その笑顔に送られて、私はよし先輩の部屋を出た。

玄関でよし先輩が私の後ろ姿を見送ってくれている。振り返らなくても、その視線を感じてわかった。

よし先輩、ありがとう。そして、さようなら…

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