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近づきたい
第11章 それぞれの日
「私こそ、まだ22の子供だよ…」

「22はもう子供じゃないよ。それに瑞穂はずっとオレの愛してる人だから、いいんだ。」

アハハと笑ったと思ったら、真面目な顔をして私を見る。よし先輩、こんなこと言う人だったかな?

ちょっと恥ずかしいけど、よし先輩が私に真っ直ぐ言ってくれるから、私も素直に言える気がする。

「私も義朗さんがいい…よろしくお願いします。」

テーブルで向かい合って、テーブルに頭がつくくらい頭を下げた。

照れたように笑って、うん。と小さく返事してくれる。
よし先輩が残りのコーヒーを飲んだ。自然と喉仏に目が行く…やっぱり好きだな…

「瑞穂…ここ出ようか?」

「うん。あっ、義朗さん、仕事は?」

「今日は休みなんだ。」

「良かったぁ。」

平日の午後に私と話をしていたから、気がついた時には焦ってしまった。仕事休みなら、邪魔したわけじゃなかった。良かった…

「瑞穂こそ、時間大丈夫?」

「うん!」

そう笑った私を見て、よし先輩も笑ってくれた。
二人で喫茶店を後にする。喫茶店前の駐車場によし先輩の車があった。まだ同じ車乗ってたんだね…

運転席と助手席に乗り込んで、懐かしくなる。

「瑞穂、久しぶりにデートしようか?」

「うん。」

頷いてよし先輩の方を見ると、不意にキスされた。

「義朗さん…もう一回して。」

「ん?」

二人で見つめ合って、ちょっと笑い合って、唇が重なるだけのキスをした。

素直になって再び近づいた二人…久しぶりのキスは幸せになれる予感のする甘いキスだった。

【~fin~】
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