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サイドストーリー4
第6章 数学のセンセイ②
そんな智樹君にキスをされ、思わずグーで殴った。
ファーストキスだったのに。

泣いてしまった私を優しく慣れた感じに抱きしめてくれた。

何が、智樹君の琴線に触れたのか分からないけど、
その時から家庭教師の時間のたびに智樹君が私を口説いて来るようになった。

初めは真樹に言われていたように相手にしていなかったのに
毎日毎日、手を変え品を変え私を口説く姿が可愛くなってきた。

「弥生ちゃんさぁ。いい加減1回で良いからデートしようぜ」
「初めてのデートは好きな人とって決めてるの」
「弥生ちゃん、デートしたことないの?」
「いけない?」
「いけなくないです・・・」

「そんなこといいから、その問題解きなさい」
「出来た」
「智樹君志望校どこだっけ?」

なんだかだるそうに言った志望校の名前は、そこそこいい学校だったけど
智樹君の今の成績で無理なく入れるところで
「今からだったら、もっと上が目指せるよ?」
と言った私の言葉にも
「めんどくせ」
と、頬杖をついた。
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