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兄の狂気
第2章 嫉 妬








「お兄ちゃんっ…お兄ちゃんっ!」


「お風呂沸かしてあったんだけど、
面白いテレビ観てたら入りそびれちゃってさ。
瞳先入る?…あ、飲んで来たんだっけ。
まだアルコール抜けてねぇか」


「お兄ちゃっ…」


「それとも一緒に入るか?…っはは」


「…っ、痛っ…」


「後でたっぷり聞かせて貰うから。
…お風呂、入ってくんね」


「あっ…」


バタン


腕を強く引かれてお兄ちゃんの部屋に
連れて来られたあたしは、
中に入れられ扉を閉められて…


やがて、ガチャリと鍵を閉める音が響いた。


…閉じこめ、られちゃった。


ドアノブを動かしてもビクともしない。


数年前同じように閉じ込められて、
お兄ちゃんに抱かれるのが嫌で
爪を使って鍵を開けて逃げ出した事があった。


でもすぐに捕まってベッドの上で身体を拘束されて、
その日のエッチは泣いちゃうくらい激しくて痛くて、
しばらく身体を解放してもらえなかった事を覚えてる。


それ以来お兄ちゃんは自分の部屋の扉を改造して
内側からは開けられないようにし、
外側には3種類の鍵が付けられ
絶対に開けられないようにされてしまった。


暗証番号も知らない…
番号を弄ってるのがバレた時は2日間抱かれ続けた。


閉じ込められる、って事は。


明日は8割の確率で大学に行けない…


ぺたんと床に座り込み、哲平くんの事を思い出す。


好き?


あたしの…事を?


身体にまだ残る、抱き締められた感触。


…心地、よかった。


ほんの少しの間だったけどなんだか安心して、
満たされて、なんだか…


鼻の奥がツンとして涙が出そうになり、
慌てて両手で潤んだ目を擦る。


やだ…どうして涙なんて出てくるの。


あたしが好きなのは…


…好きなのは、お兄ちゃん…なんだから。


自分に言い聞かせ、膝を抱えてぼんやりしていると、
やがて階段を上る音が聞こえて、鍵を解除され
上半身裸のお兄ちゃんが姿を現した。


「おに、…っ!」


あたしの姿を確認した途端腕を引き上げられ、
キングサイズのベッドに押し倒される。


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