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兄の狂気
第3章 誘 惑







*.。.:*・゚*.:*・゚


鳴らない携帯をじっと見つめる。


待ってるのは、


『今日の返事、いつでもいいんで待ってます』


『明日からもまた4人で昼食べましょうね』


気を遣わせないように気をつけた、
瞳さんに送った当たり障りない内容のLINEの返信。


嫌な予感しなくもないんだよなー…
あの扉の締まり際見えた、瞳さんの兄貴の鋭い睨み。


まさかな…


…まさか、だよな?


兄妹でそんな関係になってるなんてそんなこと…


ない、よな?


「まあまあ、哲平。また明日会えるじゃん?」


「…翔太。お前、お前が俺の立場だったら
絶対そんなこと軽々しく言えねぇからな…」


確かに明日、…明日以降も会えるのは嬉しいけど。


あなたを独り占めしたいって思ってしまうのは
イケない事なんですかね?


俺でいっぱいになればいいのに、って。


俺ばっか求めるんじゃなくて、
瞳さんからも求めてくれたらいいのに、って。


「あー付き合いてー…」


「俺も付き合いたい」


「お前はさっさと告白しろ」


「お前に言われたくな…、…あ、
…ッチ、哲平はしたんだった」


恋するオトメン2人は、再び机に突っ伏した。


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