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夢想姫の逃避録
第4章 乱れ咲き
それから、ユウガはキツく抱きしめていた腕の力を緩め、お互いの視線がぶつかり合うと、ゆっくりキスをしてくれた。
触れるだけの優しいキス。柔らかい唇の感触。

緋奈のファーストキスをユウガに捧げた。
たった1日やそこらでキスをするなんてって言われるかもしれないけど、ユウガは緋奈にとってかけがえの無い存在になっていた。
なんと言われようと、緋奈は構わなかった。

緋奈はユウガのことが好き。大好き。誰よりも、大好き。

切なくて、愛しい気持ちが溢れ出す。自然と好きな気持ちが溢れ出す。とめどなく、涙と一緒に溢れ出す。
これが、恋なんだって気づいた。
恋なんてした事なかったけど、そう思った。
いてもたってもいられなくて、緋奈からユウガに思いっきり抱き着いて、声を押し殺して泣いた。

ユウガはそんな緋奈に驚きもせず、ただ優しく、まるで壊れ物を扱うかのように緋奈の髪を撫でて、そっと笑いかけてくれた。

それからまた、キスをした。
何度も何度も。
そこからユウガは、気持ち良くなって半開きになった緋奈の口に舌を割って入れる大人のキスも教えてくれた。
気持ちいい……舌の感覚が心地良い……クチュクチュ聞こえてくる……唾液が混ざり合っていく……エッチな気分になっちゃう……。

もっと知りたいと思った。ユウガのことがもっともっと知りたいってそう思った。

ユウガは一旦キスをやめると、緋奈の足を気遣ってゆっくり介抱しながらその場に座らせてくれた。お互い座ると、またキスをし始め、緋奈はそのままユウガにそっと押し倒された。
押し倒された後も、ユウガは大事そうに緋奈に触れながら、キスをし続けた。
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