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夢想姫の逃避録
第5章 艶やかな声
結局、緋奈にこれ以上負担が大きくなってしまう前にってことで、貫通させただけで行為を終えた。
緋奈を想ってくれるユウガらしい考え方だなって、そう思った。

終わった後も、横になってお互い向かい合った。

ユウガは腕枕をして優しく緋奈を包み込んで抱きしめていてくれた。

「可愛い…ずっと見ていたい…」
頬をそっと包み込まれる。

「やだ…可愛くないし、そんな見ちゃやだよぉ……」
恥ずかしくなってユウガの胸に顔を埋めた。頬が熱い。
きっと顔真っ赤だろうな……。

「ユウガ……ありがとう…」
「ん?」
「最後の方優しかったから、嬉しかったよ…」
「緋奈があれで幸せならそれでいいよ」
「でも…ごめんね……」
「なんで謝るの?」
「最後…イけなくて……途中でやめちゃったから、ユウガ気持ち良かったのかなって…そう思ったら申し訳なくって……」

今度は目頭が熱くなって、ユウガの背中に回している腕に力が入った。

「いいよ。気にすんな。緋奈の中、十分気持ち良かったから…それに、次エッチしたら今日よりも気持ち良くさせてやるからな?」
「ありがとう……」

ユウガはそう言うけど、やっぱり緋奈の事ばっか優先して欲しくない。
ユウガにだって気持ち良くなって欲しい。
大好きだから、お互いが気持ちよくなりたいなって、そう思った。

「最中の緋奈とくに可愛かったよ?俺の名前呼んで大好き大好き言いながら鳴いていてさ?(笑)」
顔から火が出そうだった。
そうだ、緋奈はずっとユウガに大好き大好き言いながら鳴いていた……。
やだ、恥ずかしくなってきた……どうしよう……。

頭の中でパニックを起こしていると、ユウガが耳元でそっと囁いてくれた。

「ちゃんと返せなかったから今言うけど、俺も緋奈の事大好きだよ?」
「ユウガ……」
「も、もう言わねえぞ!ほら寝た寝た!/////」

照れ隠しで緋奈の頭をポンと叩くと、低くて優しいおやすみの声が聞こえてきた。
自然と笑顔が溢れて、緋奈もおやすみって返した。

大好きな大好きな緋奈の白馬の王子様。
その腕の中に包まれてそっと目を閉じた。
もうひとりじゃない。
夜がもう怖くない。

緋奈にとって、何よりの幸せな時間だった。

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