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愛が欲しかったんです。
第3章 思わぬ出会い
もどかしさを感じながら、彼と会話する。

「俺、小出 達也(こいで たつや)っていうんだ、お嬢さんの名前は?」
「野島 杏です。」

偽名を使えばいいものの、お嬢さんなどと慣れない言葉をかけられついつい本名を名乗ってしまう。

「杏ちゃんか、素敵な名前だね。」
「あ、ありがとうございます…。」

褒められてか、はたまた身体が近いからかなんだか暑かった。

それから、彼の策略かは分からないが、うまくのせられて年齢や学校の名前まで言ってしまった。
向こうも、嘘の情報かもしれないが、包み隠さず自分のことを話してくる。

「杏ちゃん、19なんだー、俺27だから結構歳離れてるね。こんなに歳上は嫌?」

なぜ、そんなこと聞いてくるのだろうか。よく分からない期待を持ちながら私は大丈夫と返事をした。
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