この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
曖昧なままに
第10章 密かに去って
 こうして奈央と身体を重ねるのは、この日で三度目でになる。否、性交の回数に言及るのならば、もっと指を折ることになろうが……。つまり二人で会い行為に至った日が、これで三回目ということだった。

「ねえ、今度はさ――」

「ん?」

 ホテルのガラス張りのバスルーム。二人で向き合いバスタブに浸かっていると、奈央がそう話を切り出す。

「中崎さんの部屋――行ってもいい?」

「ああ……別にいいけど。あ、でもなあ――」

「何よ。不味いことでもあるわけ?」

「いや……俺ん所、安アパートだからさ。奈央に大きな声を出されたら、隣人に迷惑かなって」

「もう!」

「イタタ……ごめん、冗談」

 湯船の中で奈央に睾丸を強く掴まれ、俺は慌てて許しを請う。

「別にホテル代わりにしよう、なんて言ってないよ。だって……私たち付き合ってるんでしょ?」

「うん……」

 当然ながらそれを今更、それを否定する気などなかった。

 それでも奈央を部屋に招くことには、若干の抵抗を覚えているのかもしれない。また何時かひょっこりと、愛美がその姿を現すような気がして――。

 しかしその可能性は、もう極限までゼロに近い。何故なら――


『その方と――お付き合いすれば、いいと思いますよ』


 愛美はそう言い残して、俺との全ての連絡を絶った。忘れた財布すら放置して。それを考え合わせれば、自ずと答えは出ている。

 俺の話を汲んだものか。或いは愛想を尽かしたのか。単なる気まぐれ。それとも俺の想像が至らない、もっと奥深い何か――か。

 その真意はわからなくとも、少なくとも俺に固執する理由など有る様には思えない。最初から謎だらけで、続いていたのが寧ろ不思議。

 その曖昧な関係を、愛美はあの時に既に終えていたのである。


「どうしたの? ボーっとしちゃってさ」

「いや……何でもない」

「ふーん。何か元気ないなあ。仕方ない――ちょっとサービスしてあげよう」

「え、ちょっと――うわっ」

「遠慮しないの――ホラ」

 奈央はそう言って、俺の下に両脚を滑り込ませた。そして自分の身体に乗せ、浮力を利用して俺を持ち上げてゆく。

 すっかり湯面より顔を出した、まだしな垂れた俺の局部。奈央は自慢の胸を用いて、徐にそれを包み込んでいた。

「ふふ、見えなくなちゃった。さあ私の胸で、元気におなりなさい」
/177ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ