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曖昧なままに
第10章 密かに去って
 奈央が脇をきゅっと締め両肘で胸を寄せると、その中に包まる俺自身へ圧力を加える。そして左右に微妙に揺すり、ほのかに刺激を増した。

「あ……」

 ふくよかな弾力に埋もれながら、俺は肉を掻き分ける如き膨張の兆しを覚える。その途上にありながら、俺は期せずして奈央に訊ねていた。

「奈央はさ……本当に俺なんかで、いいのか?」

「まぁた、そんな言い方する。まあ今更、そのマイナス思考も承知してますけどね」

「でも、奈央だったら……もっと、良い男だって……きっと」

 胸を擦り合わせ俺の膨張を早めつつ。奈央はふっとため息をつき、こんなことを話す。

「中崎さん。私ね……そんな強欲な女じゃないよ。ううん……実を言えばさ。男を自分のステータスのように思ってた頃も、なかったとは言わない。でも……そんなんじゃ結局、肝心なものは何一つ満たされなかった」

「奈央……」

「私が離婚して学んだのは、そんなことなの。だからね、今度は細やかでもいいと思うんだ。私たちってさ、良い時ばかりじゃないのも知ってるわけじゃない。ね、焦らずに行こうよ。そして、ゆっくりと育めばいいの。あは。ほら……こんな風に」

「うおっ……」

 いつの間にか谷間から覗かせていた、俺の亀頭。それを見て微笑する奈央は、その長い舌を伸ばし、敏感な尿道口をくりっと突いた。

「ふふ……もっと、良くしてあげるね」

 奈央は両手で胸を上下に揺すり、すっかり膨張したそれを扱き上げる。同時にグッと頭を下げ、亀頭部分を唇に含むとチロチロと舌を絡めた。

 やがてふんわりとした弾力は、コリッとした感触へ移行。奈央は右手で竿を掴み、先端を左右の乳首に代わる代わる擦る。更に乳首ごと強く胸の中に埋め込むと、円を描くように扱きつけていた。

「ああ……」

 心地よい胸の柔らかさと、局部的な乳首の刺激により、否応なく張り詰める怒張。

「そう、気持ちいい顔、私に見せて」

 左右の乳首を亀頭に押し当て、カリ首をグリグリと挟みつけ。

 再度谷間に迎え入れると、ぷるぷると大きく胸を震わせ。

 奈央は吐息交じりの声を出し、胸による愛撫の仕上げにかかる。

「奈央……」

「うん、イッていいよ」

 そう言った奈央の舌が、先端を優しく撫でつけた時――。
 

 ビュルル――!


 ふわふわの脂肪の狭間で、俺は強烈に脈打った。
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