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曖昧なままに
第14章 月並みな俺
 俺は連休の間に終わらせる筈のことを、まだ持ち越してしまった。否、当初の目的は既に果たされている。だから後は飽くまで、俺の心の問題――。

 そして俺は――奈央の話にも上の空で、明らかに引きずってしまっていた。

『俺が愛美を抱きたいんだ』

 なんて……よく言えたものだと呆れる。その癖、俺は今まさに奈央と……。これでは二度と愛美の前に立つ資格も無く、奈央にだって申し訳が立たなかった。

 結局は何処までも、曖昧なままに……こんな俺が誰かを、幸せになんてできるのだろうか。

 そんな風に、考えていたからだった。


 ベッドに於いて、愛し合っていた最中――。

「あん……?」

「ん……あ?」

 俺の一物がふにゃっとした感覚と共に、奈央の中から抜けてしまう。 

「あらら、可愛くなっちゃって」

 奈央は身体を起こすと、俺の股間を見てそう言った。

「ご……ごめん」

「イヤだなあ、謝らないでくれません。誰にだって、たまにはあることでしょ?」

「まあ、そうだけど……」

 すると、奈央は急にハッと顔色を変える。

「まさか……私のこの肉体に、飽きてしまったとか」

「そ、そうじゃないから。それは、あり得ない」

 俺が剥きになって否定すると、奈央はふっと柔らかい笑みを作った。

「冗談だよ。きっと、疲れているのね。さ、横になって」

「奈央……?」

 奈央は俺をベッドに寝かせ。俺からスキンを外すと、顔を股間へと寄せてゆく。

「奈央、いいよ。そんなこと――」

「だって。ここは――女の腕の見せ所ってやつ?」

「だけど……」

「大きくならなくても、気にしないでね。リラックスが、一番だから――」

 奈央は髪を掻き分けて、しな垂れたモノをくちゅっと口に含んだ。

 そして――ちゅぱちゅぱと、ゆっくり何度も下から上へ吸い上げる。

「ね――(ちゅぷ)――私の口の中、温かい?」

「とても心地いい温度だ」

「(くちゅ)――そ、良かった。(ちゅ)――ほら、私の舌――(れろ)――長いでしょ?」

「ああ……凄く、イヤらしい」

「それ――(ぺろ)――褒めてる?」

「もちろん……とても、魅力的……だ」

「ふふ――(くりっ)――じゃあ、いいか」

 奈央はゆっくりと舌を這わせながら、ずっと俺に話しかけていた。

 私だけを見て――まるで、そう言っているみたいに。
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