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第1章 出会い

ソファーで男が

『警察に電話しますね、サイフを盗まれたって』

『お願いします、許して下さい。』

祐子は、さっきとは真逆の態度で膝に頭が付く位、頭を下げ男に謝っている。

盗んだと、疑われ、強気に出た時は、カチンときて自ら警察に電話すると言ってしまった事を後悔しながら

『自ら認めるんですね、盗んだと』

え？ 違う

『違うんです、袋に落ちていたんです。』

『袋にねー。お金が勝手に。 落ちていたサイフを拾い、家に持ち帰ったら、勝手に袋に落ちていた。』

『警察が、信用すると思いますか？ 私が聞いても信じられない。』

男は、呆れた様に言った

『本当なんです』

祐子は泣きそうな目をしながら男に謝っている

『取り敢えず、115万返してくださいよ。』

え？115万？ 袋には数枚しか無い様見えたが

袋に取りに行くと、やはり袋には数枚しか無い

『コレだけしか、ありませんけど』

祐子が男に言った

『は？束があったでしょ帯付きの』

え？

『やっぱり、警察に電話しますね』

え？待って 待って

『待ってください』

『本当に取って無いんです。本当です』

『誰れが、貴方の言っている事信じますかね〜』

『警察だって、私が電話して事情を説明すれば、私の言葉が嘘で無いと思ってくれますよ。』

『サイフを落とす前に、銀行で200万下ろしているんですから』

『今返してくれれば、警察にも、家族にも黙っておきますよ』

え？待って 私は盗んで無い

『でも、盗んで無いです』

急に男の態度が変わり、祐子の口に何かを充てた。