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Dolls…
第16章 誘惑の果て
「ほら…、早く…」

椎葉さんの目が徐々に怒りに満ちていく。

私の無意識の謝罪に腹を立てたのだろうか…。

椎葉さん、本気で━━━━




「こっちに来いっ!!」





ビクッ





怒鳴るような声に体がびくついた。

そして、逃げる暇もないほどに





━━━━━「きゃあっ!」






ベッドから立ち上がった椎葉さんは立ち竦む私の腕を掴み部屋の中へと引きずり込んでしまった。

いきなりの事で手を振り払うのも、逃げることすらままならなかった。


「待っ…、椎葉さんっ!!勝手な事しちゃってごめんなさいっ!!」

引きずられながらも私は必死に椎葉さんに謝った。

この屋敷で椎葉さんと幾日も過ごして来たとは言え調子に乗って安藤さんをこの屋敷に泊めてしまったのだから。

それも、屋敷の主人である椎葉さんに楯突いて。





━━━━ッ!!「う…っ!!」





私の体はベッドに叩きつけられてしまった。

叩きつけられた私の体を押さえ込むようにして椎葉さんが私の体に股がってくる。

乱暴な椎葉さん。

こんな時の椎葉さんは間違いなく怒っている。


「私が安藤さんを泊めるとか言ったから…、だから怒ってるんですよねっ!?ごめんなさいっ!本当に…っ」


下から見上げた椎葉さんの目は怒りが滲み、いつものあの冷酷な目で私を見下ろしていたのだ。

背筋が凍る。

いくら椎葉さんと一緒に過ごしてても、この目付きには未だに慣れない。

全てを破壊してしまいそうなほどに冷たく凍てついたこの瞳だけは。


「…全くだ。主人の俺に歯向かい、尚人をこの屋敷に招き入れやがって」

「ご、ごめんなさい…っ!そんなつもりは…」


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