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Dolls…
第19章 泣きながら、あなたを…
「何なんですか…?椎葉さんの事が好きなのかどうか聞いておいて、椎葉さんを好きになっちゃダメって…」

「あ、それは…っ」

安藤さんの表情が一瞬困った。


安藤さんがあんな事を聞かなければ私は見て見ぬ振りが出来てたんだ。

自分の気持ちに蓋をして気づかない振りが出来てたんだ。

封印を解いたのは安藤さんなのに、どうしてそんな事を言うの…?



「私の心の中を引っ掻き回して…。奈々さんの事で椎葉さんに仕返ししたいんですか…?」

「ち、違う…っ!そんなんじゃないっ!奈々はもう関係ない…」

「じゃあ、どうして…っ」



違う…。

安藤さんはそんな人じゃない。

少なくとも他人である私を使って仕返しをするような人じゃない。

奈々さんへの気持ちも吹っ切れてるみたいだし、奈々さんへの未練なんかじゃない。

安藤さんの顔は本気で困ってるし、私に何かを伝えようとしてるみたいだ。

こんなのはただの八つ当たりだと自分でもわかってる。


わかってるのに、止まらない。


言いようのない不安と恐怖で安藤さんを困らせてるだけだ。


「秋人に片想いしてるうちはいい。でも、秋人の心まで欲しがっちゃダメだ。椿ちゃんが傷つくだけだから…」

「な…、何ですかそれ…、意味がわかりません…」


椎葉さんに片想いするのは良くて、でも心は欲しがっちゃダメ。

それってつまり、何もしないで黙ってろって事?

告白もせず、ただ想ってろって事?

それで私が傷つく…?


「……あ、そういう事ですか…」

「え…?」

安藤さんの言葉が何と無く理解出来た。

安藤さんが困った表情を見せた理由がやっとわかった。

私だってバカじゃないんだからそれぐらいわかるし、それぐらいの分別はつく。



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