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Dolls…
第19章 泣きながら、あなたを…
「私は椎葉さんのタイプの女性じゃないから告白しても振られるだけって、そう言いたいんでしょ…?」

「はっ!?」



…なるほどね。

だったら安藤さんの台詞やあの表情の訳もわかる。


私の勘、一応は当たってたみたいだ。

確かに、奈々さんと比べたら悲しくなるだけだもん。



失恋は確定だとわかってる相手にそれを教えるのは難しいし言いづらいだろう。

安藤さんは私に気を使ってくれてたのだろう。

「ち、違うっ!そんな理由じゃ…っ」

「隠さなくても…、確かに私は奈々さんみたいに美人でもないしスタイルがいいわけでもありませんから…」

我ながら面倒な性格だと思う。

これじゃただいじけて安藤さんに当たってるだけだ。


わかってる…。

私は椎葉さんさんには不釣り合いだと。

奈々さんみたいな完璧な女性ならバランスが取れたかも知れないけど。


「違…っ、そうじゃなくて…っ」

安藤さんの言葉1つ1つに腹が立った。

今も尚、こうして言い訳をしようとしてる安藤さんが憎らしくて仕方なかった。


「もう…、ほっといて下さいっ!私の気持ちなんですっ!安藤さんには関係ないでしょっ!」


腕に目一杯の力を込めて安藤さんの手を振り払った。

私の言葉に狼狽えたのか安藤さんの手が私の腕から離れた。


「あ…っ」

「私の気持ちをどうしようが私の勝手です…。椎葉さんに伝えるも伝えないも、安藤さんには口出しされたくありませんっ!」

「椿ちゃん!待っ━━━━━」


そう言い残し私は安藤さんの前から足早に立ち去った。

これ以上、安藤さんと話したくなかった。

もし安藤さんの口からハッキリと聞かされてたら今度こそ再起不能だ。


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