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Dolls…
第20章 別れの背中
それは、奈々さんを愛し抜けず、守り切れなかった安藤さんの罪悪感からの贖罪。

奈々さんと同じように椎葉さんに振られた私にあの時の奈々さんを重ねて見ているだけなのかな。

安藤さんの元へ戻らず遠い国に旅立った奈々さんの変わりにしようとしてるだけなんじゃ…?

「…それって、私と奈々さんを重ねてるんですか…?」

「…わからない。でもとにかく、椿ちゃんが傷ついて泣いてるところを見たくないんだ。今回の事は少なからず俺も関わってるわけだし…」

私が泣いてるところ…?


そういえば、安藤さんの前じゃ私、ずっと泣いてるか傷ついて落ち込んでる姿しか見せてない。

安藤さんの前で心からの笑顔なんて見せたことない。



「どうかな?椿ちゃん…」



その一言で、私は追い詰められた。




安藤さんの言う通り、このままここにいても今までみたいに椎葉さんと顔は合わせられない。

あんな事言われた後じゃどんな顔して会えばいいかわからない。

私は完全に椎葉さんに嫌われてしまった…。

椎葉さんに拒絶されたのだから、ここにいる意味ももうない。


でも…。


「でも、椎葉さんが…」


自分で言いかけたその台詞。

椎葉さんの名前を吐いた瞬間、その先の言葉をグッと飲み込んだ。


椎葉さんが…、何?



もしかしたら、椎葉さんは引き止めてくれる、そんな変な考えが頭を掠めた。

確かに異性としては椎葉さんに拒絶されたかも知れないけど、私はまだ人形のモデルとして椎葉さんには必要かも知れない。

安藤さんとここを出ていくとなれば引き止めてくれるかも知れない。

「秋人が何?」

「私はまだ、椎葉さんの事が…」

話ながらも私の心は恐怖でいっぱいだった。






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