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タンバリンでできたオーロラ
第29章 あとがき
■触手伯爵と美貌の四銃士

「そうだ。エロ小説書こう――」

 そう思って書いた初めての文章。

 ここに載っけたのは没原稿ふたつですが、これはその後「マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四銃士~」として完結させました。

マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
http://kanno-novel.jp/viewstory/index/6818/?guid=ON

 この頃はまだ会社に勤めていて、それまで受け持っていた大き目のプロジェクトと、中規模のプロジェクトがどっちもひと段落つき、あとはもう取引先にクレームつけるぐらいしかやることなくて、後に控えていた企画もポシャッたため、突然ポッカリ時間ができた。

 この数年で初めて時間と精神に余裕ができたこともあり、血迷ってしまったという感じでしょうか。

 男の子向けの凌辱系ジュブナイルポルノを研究のために何冊か読んで、「そうか触手かあ~、触手を書かないといけないんだな」とか、そんなことを考えて書いて、書けませんでしたみたいな。

 結局、触手はナシにすることで、なんとか書き上げることになります。

 触手って、なんで好きな人多いんですかね。漫画やアニメだと描くのが楽そうな感じありますけど、小説ではどうなのか。

 緊縛や挿入ができる生きたオチンポという意味では便利ですが、なんだかんだで、最後はちゃんと生身の人間が出てきてフィニッシュ決めてくんないと抜けない……的な心理もあるような。

 完結させた「マスケッティア・オブリージュ」では隊長であるカテリナがメインヒロインとなっていますが、この頃の没原稿では副隊長のナルシャが主役格。

 私がNo2萌えだからなんですが、でも共感できる方も少なくないのではないでしょうか。一番の人より、その下の奴。1レベル地味だけど、ちゃんと目立ってる。そんなポジションに惹かれる。

 でも、それだと隊長というトップの地位にあるキャラと物語的な扱いでカチ合ってしまいスムースに書けない、それを強く感じたのも没にした理由でした。

 やっぱりトップはトップ。
 話でも中心に据えたほうがやりやすかったです。

 そんなことを学んだ作品でした。
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