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弟プレイ
第12章 蒼 eyes.3 それでも…
あぁ、そういうことか。
シャワーを浴びたのも、パジャマを着込んでいるのも。
全ては“アイツ”の残り香を消すため。
「……良かったじゃん。おめでとう」
自分の痕を重ねて、刻み付けてやりたくなるのを寸前で堪えて。
俺は祝いの台詞を喉奥から絞り出した。
「う、うん……ありがとう」
そう返事を返す姉貴が、俺を上目使いに見上げてくる。
ぽってりと濡れた赤い唇。
情事を経験した名残なのか、その瞳は艶っぽく潤んでいるように見える。
俺の知らない、女の顔の姉貴が。
そこに居た。
「俺もシャワーでも浴びるかな」
動揺を悟られないように平静を装い、姉貴から背を向けて俺はリビングを後にした。