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第17章 続編,初恋の君

　

「梓から直接聞いた訳じゃないですけど、あの子にはきっと恋人が……って、先輩。私の話し聞いてます？」

「えっ……あぁ、ごめん。何だっけ？」


亜美ちゃんの話も右から左へ抜けていく。

というよりも、無意識に流していたのかもしれない。

これ以上何も俺は知りたくなかったから。


「とにかく、もし先輩が未だに梓へ横恋慕しているなら。その未練はなるべく早く断ち切って下さいね」

「ん……あぁ」


俺自身どうしたいのか分からず、返事は曖昧に濁す。

そこで亜美ちゃんの話も尽きたらしく、二人の間には気まずいムードが漂っていた。


「たっだいまぁ～」


……とタイミング良く、ケンが一人で帰ってきた。

どうやら梓はまだお手洗いにいるらしい。