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狐面の男に 愛されまして
第3章 狐面の男に ひきとられまして
「サチは大切なお嫁さんだから。何でも欲しいものがあったら言ってごらん」
「…どうしてわたし、お嫁さん?」
そういえば、そこが大きな問題だった。
あなたが何歳かは知りませんけど。
「十年近くになるかな…僕はずっとサチを見てきたんだよ。サチが大人になったら会いに行こうと」
「まだ子ども…」
「十分に大人だよ…っ」
眉を潜める彼女にシュウは焦りを見せる。
子どもだと言い張られてしまうと、自分がとても悪いことをしている気分になるからだ。
「言っておくけど、僕もまだおじさんじゃないんだからね」
「……」
「…っ…疑うのはやめなさい」
「わかったよ。でも、…どうしてわたしなの?」