この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
狐面の男に 愛されまして
第4章 無知な自分は 騙されまして
よく届く──
自分を名前で、呼ぶ声が。
(サチ ハ、にんげん ノ オンナノコ?)
「うん」
(にんげん、ココにいない……
にんげん、ボクら みえない……
サチ ハ、と く べ つ♪)
小躍りしているカワウソ君は、嬉しそうで。
未だに遠くから話し掛けてくる彼は
大きな眼を光らせて彼女を見つめてくる。
(サチ ハ、ボクら こわくない?)
彼は彼なりに、彼女に気を遣っているのかもしれない。
「怖くない」
(やった♪ヨカッター)
怖くないのは本当で…
彼女が今までに目にしてきたお化けの中で、カワウソ君はかなり可愛い部類。
それを正直に伝えてやると、彼は喜んで跳び跳ねた。
「……」
(ボク、サチ ト あそびたいナー。ボクのトモダチにあってほしいナー)
「…友達?」
(と、も、だ、ち♪イッパイ。サチ モ ともだち)
「…?」
(いこう ヨ)