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狐面の男に 愛されまして
第4章 無知な自分は 騙されまして


「サチ…君は警戒心の強いほうかと思っていたよ」

「……」


首に巻いていた布を抜き去ると、シュウはそれをばさりと広げて、裸の彼女を覆った。


「…あれは妖精の仲間。自分と会話できるサチを珍しがって手にいれようとしてきたんだよ」

「別に、……油断したわけじゃ、ないし」


ちゃんと断ったもん。

それでも連れていこうとしたのはカワウソ君。


「違うね…サチ」

「……」

「…彼等は人間に悪さをするけど、本当に望んでいないのに強要することはない。あれがサチを連れていこうとしたのは……サチの心に、ついて行きたいという本音があったからさ」

「…うそ」

「──…あったんだろう?」

「……」

「……友達、という言葉に惹かれたのかい」

「……」


まさか

そんな安っぽい言葉に騙されるほど能天気な生き方はしてこなかった、はず。


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