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狐面の男に 愛されまして
第5章 おムコさんに 愛されまして
「本当に?」
そう聞き返すシュウの声はどこかホッとした様子。
「…うん」
俯いた彼女は
やっぱり照れているに違いなくて。
部屋の隅の灯りの炎が、大きくなったり小さくなったり…
そのたびに、揺れる影は暫く動かなくて。
「…サチは…、僕のお面をとりたがっていたね」
「……!」
「とってもいいよ、サチの自由だ」
そう言って
彼は人差し指を、面の中心…鼻の中腹くらいの位置に、トンと当てた。
すると、固かった白塗りの面がぐにゃりと一瞬大きく歪み──気付けばそれは、ゴム質に近い柔らかさになっていた。
顔との間にゆとりもあり
これなら…彼女にも外せられる。